トリカブト保険金殺人事件の真相と神谷力の天才的アリバイのトリックとは？

今回は「トリカブト保険金殺人事件」に新装・真実と被疑者の神谷力の天才的ともいわれるアリバイ、トリックについてまとめてみました。

トリカブト保険金殺人事件とは？

トリカブト保険金殺人事件とは1986年5月20に発生した保険金殺人の事件です。

1986年5月19日神谷力と妻の利佐子さんは沖縄旅行で那覇に到着。翌20日に二人に誘われてきた妻のホステス時代の友人三人と那覇空港で合流。

すると11時40分頃夫の神谷力は急用を思い出したと妻のりさん子さんと友人の3人を残し大阪の自宅に帰宅します。

妻の利佐子さんと友人3人は予定通り石垣島の飛行機に乗り、一行はホテルにチェックインしました。

ところが妻の利佐子さんが突然悪寒や大量の汗をかき手足のまひが起こり病院に運ばれることとなりました。

しかし救急車内で急激に容体が悪化し、心肺停止となりなくなってしまいました。

沖縄県警は行政解剖を行い、担当した琉球大学医学部の大野教授は不審に思い妻の心臓と血液を保存しておきました。

神谷力は妻の利佐子さんに複数の保険会社で合計1憶8500万円の保険をかけていました。しかし、妻の利佐子さんが神経系の通院歴があり告知義務違反で保険会社が保険金の支払いを保留。

この時の神谷力は借金をして保険料を支払っていたとのことです。

神谷力は訴訟を起こし一審で勝訴したものの、保険会社が控訴したため行われた第二審で大野教授が毒物による可能性があると証言したことで神谷力は訴訟を取り下げることとなります。

神谷力は1991年6月に別の横領容疑で逮捕され、5年前の利佐子さんが死亡したのは保険金殺人の可能性があると詐欺未遂と殺人で神谷力を逮捕。

この間、琉球大学医学部の大野教授は毒物に関する資料を読み漁り、利佐子さんの死因はトリカブトの毒によるものだと突き止めていました。

さらにトリカブト69鉢を売ったという花屋が現れ、神谷力のアパートの畳からトリカブト毒が検出されます。またフグを1000匹以上売ったという漁師が現れます。

また琉球大学に保存されていた血液を東北大学の協力で調べるとフグ毒が検出されました。

これだけの証拠が出てきたことで逮捕確実と思われましたが、神谷力のアリバイとトリックがありました・・・

しかしトリカブトの毒は即効性（15から20分）があるのに対して、妻の利佐子さんが亡くなったのは神谷力が大阪に帰るといって別れた二時間後でした。

神谷力はトリカブト毒は即効性だが、自分はその時飛行機に乗っていたといたといったのです。

このことがアリバイとなって神谷力の逮捕に警察は踏み切れませんでした・・・

しかしこのアリバイ・トリックはフグの毒とトリカブトの毒を組み合わせることで即効性をなくすことができることが判明します。

このようにして2時間のアリバイ・トリックは崩れたのです。

神谷力はアパートで大学で使用する機材やマウスを使って実験を繰り返し、この事件に使用する毒を生成したとされています。

こうして神谷力は無期懲役の判決を受けますが、控訴するも二審も無期懲役の判決。2000年に上告しますが、最高裁がこれを棄却し神谷力は無期懲役が確定しました。

神谷力は高卒で大学に入っておりません。このような毒を作る知識はどのようにして得たのでしょうか・・・

トリカブト保険金殺人事件の犯人の神谷力とはいったいどのような人物なのでしょうか？こちらについても下記の記事にてまとめてありますのでご覧ください。